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シリーズ・続編の展望



今でも問いあわせのあるシリーズものについて、書ける範囲でその後の展望をお知らせします。

★まず金銀シリーズ、正確には Tales From Third Moon シリーズ。
これはエピソードごと、たとえば《ムーン・ファイアー・ストーン》エピソードとかで完結してますので、未完シリーズではないと正確には思います。 まだ書いてないエピソードや埋めてない空白の物語などもありますので、エンドレスに続いてもいいし、あとは想像におまかせしますとエンドマークのない完結にしてもいい。
以前に文庫でぽんぽんと出ていた印象が強いので、最近はさっぱり見ないと思われるのでしょうが、いちおう完結していると思います。
 「もう書かないんですか」と尋ねられたりしますと、ものすごくつらいのですが、もう書かないということはないです。
それからこの作品に限らず、待っているシリーズがあるときは作者に訴えるより、発行元にリクエストする方が効果的だと思います。作者ひとりの意志では決められない場合が多々ありますので。
とはいえ、十年以上前に出たシリーズをまだ待ちのぞんでくださる方がけっこうな数いるというのは、たいへん光栄なことではあります。
このシリーズに関しては、今まで刊行された作品を愛蔵版としてまとめるか、短編や未発表作を集めた私家本を出していくやり方でフォローしていく予定です(詳細は通販コーナーを参照ください)。
ホームページ上でも短編はウェブ文庫の形でアップする予定です。CGストーリーも考えていて、まとまった形の新作をお目にかけられるかもしれません。
PDFファイルのダウンロード方式も試行しています。短編中心ですが、入手困難になった旧作や新作もダウンロード方式で出していく計画もあります。
愛蔵版に新作の書きおろしを入れるのは、また買わなくてはいけないのでいやだという意見もあるかと思いますが、ささやかな作者からのプレゼントと受けとめてくださるとうれしいです。
                     

★ラレンティア・シリーズ、正式にはMillennium Larentiaシリーズ。
これに関しても同じく、愛蔵版でまとめる方向で行きたいと考えてます。新作も、先日ソフトカバーで発行した『神々の果ての扉』のように少しずつ出していく予定です。
《Chronicle of GoldenAge》は単行本二冊分ぐらい書きためていますが、どうやって発表するか迷っている状態です。そのうちお目にかけられる日が近いといいのですが、とにかく今は書けるだけ書こうと思ってます。
これも正確には未完シリーズではなく、「第一部完」みたいな形で一応完結してますが、老後の楽しみにライフワークとして、こっそり書きついでいくでしょう。もうほとんど趣味の領域になってしまいそうです。

金銀とラレンティアのふたつのシリーズは時間がかかるとしても、この先どういう形態をとるにしろ、ちゃんとフォローしていくつもりです。保証いたします。

このふたつのシリーズは今後も書きついでいきますが、他のシリーズはなんとも言えませんという状況ですのでお許しください。

                   
★問題のこの他のシリーズですが……、今のところ確たる展望、展開はありません。ほんとうに未完だというのはひとつしかなく、だいたいエピソードごとに完結していて、ひょいと続編的作品が出ても不思議ではないが、出ないかもしれないという感じです。
好きな作品、忘れがたい作品もあって、ときどき短編ぐらい書きついでみたいと思うときもあります。

そのほんとうに困った未完シリーズというのは、新書形式で三冊出た《メルキア戦記》シリーズです。
こんなところで終わるか、このヤローというぶった切り方で、自分でもひどいと思います。それほど多くはないですが、今でもときどき問いあわせをもらったりします。もう申しわけなくて穴を掘って入ってしまいたいと思ったりしますが、まったく先の刊行予定はないです。すみません!!
理由はいくつかありますが、言い訳になりそうなのでごく簡単に。やはりこういう形の異世界ファンタジー(というより架空の歴史物語のつもりでしたが)というのは今の私には書けないというのが大きい。
自分が変化するということを察知できず、大風呂敷を広げてしまった展望のなさを反省してます。当時はなんでもシリーズもの、とりあえず三冊、売れたら永遠につづくという安易でバブリィな形が多かったのですね。
これに懲りて、以降はシリーズでも一冊完結をめざしてます。

★といいつつも、時の流れとは不思議なもので、アレルギー症状(異世界ファンタジー系がまったく駄目になるという病にいっときかかっていました)が突然治るという場合もあり、未完の《メルキア戦記》シリーズもまとめて、ちゃんと完結させてみたいと考えつつあります。
いつかどこかで語るかもしれないですが、「自分が変化することを察知できず」というのは、その変化した自分もまた変化しうるということなんですね。未来の自分なんてわからないものです、あたりまえですが。
ですから、ここに書いてある展望も2009年のもので、先はどう変わるのかわかりません。以前は予測できると自信を持ってましたが、今はそんな不遜な考えはやめることにした。
ジャンルの足かせやレッテルが嫌で、苦しみつつ書いていた時期も正直ありましたが、そのあたりのつかえが解消されるようなことがあり、新鮮な気持ちで以前の作品を見返すことができるようになりました。そのきっかけをくれたさまざまな物や人に感謝を捧げます。