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Another Summer Story

軽井沢でひと夏をすごす幼なじみとその仲間たち。
彼らの軌跡を高校生のとき(風の中夢想者)から、二年後(水の中の散歩者、月の下の彷徨者)まで描きます。kindle版で3作とも刊行します。

 風の中の夢想者      

数年ぶりに軽井沢を訪れた岸本梢は、懐かしい幼なじみと再会する。
しかしそれは失った幸せな子供時代を思い出し、つらくなる再会でもあった。

意地を張り、明日にでも避暑地を離れ、家に帰ろうと決意しながらも
いつまでもいっしょにいたいという渇望に引き裂かれ、想いは空間を越え……。

Another Summer Storyというミニシリーズの第一作で、勁文社から発行した『風の住む扉』を改題し、少し今の時代に合わないところを改稿した作品です。



 水の中の散歩者  
『風の住む扉』から二年後の物語
それぞれの道を歩む彼らのその後は……。

――たぶんぼくは月を取ってほしいと泣く子供なんだよ。自分の手の届かないものばかりをほしがっている。
壊れたコテージの前で漆黒の髪の青年が白い花束をかかえて泣いていた。
十九歳になった彼は禁断の未来をかいま見て、兄への許されない思いを封じこめようとした。
――特定の相手しか自分の欠落を埋められないと思いこむのは、呪われた狂気だ。
月に手が届かないなら、水に映った月を愛そうと彼は決意するが、運命の扉は思ってもみない未来を開いた。
交錯する愛と友情の流れつく果てには……?

 月の下の彷徨者   
『水の中の散歩者』の後半部です。

――いっしょにいるだけで心地よかったから、深く考えてみることなんてなかった、今まで。
仲のいい兄弟のように育った幼なじみは、いつしか次のステップに踏みこんでいく。それは彼らにとって幸せなのか、不幸なのか。
――未来は変えられないのか。どうあがいても同じ未来しかないのか。
最愛の兄の死を予見した真琴は、運命に反抗するために禁断の果実をむしりとろうとする。
兄弟に限りなく近い愛情、愛情に近い友情、肉親の枠を越えた愛情、さまざまな想いは大きな流れに巻きこまれる。
行きつく先に見えるのは光か闇か……?

 作品の覚え書き
執筆当時のことをふりかえり、作品制作にまつわる思い出を語ってみました。

★作品の覚え書き